さっこ大感謝祭

奥義、ピン!と感じる。

人間は本能が壊れた動物、というフレーズが心に残って

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

岸田秀「ものぐさ精神分析」という本。

わたしが手にしたのは、その文庫本で、たぶん、父が、吉本隆明共同幻想論や岸田の唯幻論が流行っていた大昔に、たまたま買っていたものが、本棚にあったのを、なんとなく手に取り、読んだものだと思います。
記憶が確かなら、大学生の頃だったと思うから、15年くらい前のことです。


ものぐさ精神分析 (中公文庫 M 181)

ものぐさ精神分析 (中公文庫 M 181)


ほかにも、本はいろいろ読んでいたし、個人的には、岸田秀の印象というか読後感は良くなく、むしろ、「この人、嫌い」って、思ったんだけど。


ただ、
「人間は本能が壊れた動物だ」
「だから、あんなことやこんなことが」
みたいな論旨は、心に残り、結果、人生に影響を与えているのではないかと、今、思い当たったので、書いてみました。
なかなか、心に残らない方なので。


岸田秀をわたしが読んだ当時(15年くらい前)、たしか、養老孟司唯脳論も、「バカの壁」をはじめとする書籍が出て、流行っていたけど、この世の中の何かが起こる原因みたいなものを、一つところに帰する思想状のものに、若気のいたりで、軽くハマっていたのだと思います。


引用しようにも、どの箇所だったかとか覚えてないし、そもそも手元に本がないので、いい加減な記事ですけれども、わたしの中では、岸田秀の「本能が壊れた動物である」話と、養老孟司の「この世の中のものは人間の脳が生み出した産物で」みたいな話が組み合わさり、人間の身体的なイメージみたいなものが、出来上がっているのではないかなぁ。


今だって、わたしの身体は、スマホから指先一つで羽ばたいているわけだけど、その本能は、動物的な生存のためではない面に向かっているし。


ちょっとあやふやだけど、なんとなく咀嚼され、血肉になってるというか、知らず知らず、その考えに影響された状態で、世の中を見ていると思うのです。


だから、たぶん、人生に影響を与えた1冊だと思います☆


人間の身体イメージについては、他に、鷲田清一の著作の記述から、影響を受けていると思うですよ。
つまり、1冊というよりか、何かのハイブリッドなんだけど、わたしにとって、人間の「身体」や「心のありか」や「起こる出来事」みたいな話は、わりと好きなテーマで、問題意識の向かうところなのだと思います。